千葉県環境生活部自然保護課Chiba Biodiversity Center生物多様性センター

生物多様性センター:学校ビオトープフォーラムの開催結果

千葉県環境生活部自然保護課
生物多様性センター
電話 043-265-3601

学校ビオトープの整備・活用を実際に行っている児童・生徒や教職員などから その方法や課題を直接聞いたり、県立中央博物館の生態園を管理している専門家から水辺や植生の管理、観察の方法などについて学ぶ「学校ビオトープフォーラム」を開催しました。


1 日時 平成20年11月8日(土)午前10時から午後4時
2 場所 千葉県立中央博物館
3 参加者 144名
4 内容
 (1)生態園観察会(10:00~12:00)  ※参加者は、受付で(ア)、(イ)のいずれかを選択
   (ア) 水辺や池、植生の復元・管理の講習(主に教職員向け)
       講師:県立中央博物館 林上席研究員(水辺や池の復元・管理)
          県立中央博物館 大野上席研究員(植生の復元・管理)
   (イ) 生き物観察「森の調査隊」(主に児童・生徒や保護者向け)
 (2)発表会(13:00~16:00):講堂、研修室
   (ア) 基調講演「子どもの感性を育む自然体験」(県立中央博物館 中村俊彦)
   (イ) 学校ビオトープの整備や活用の事例発表(児童等によるポスターを使った発表)


発表を行った学校
所在市町村 学校名
小学校 千葉市 千葉市立稲毛第二小学校
千葉市 千葉市立稲浜小学校
印旛村 印旛村立いには野小学校
市原市 市原市立牛久小学校
我孫子市 我孫子市立湖北台東小学校
佐倉市 佐倉市立白銀小学校
袖ヶ浦市 袖ケ浦市立中川小学校
柏市 柏市立名戸ヶ谷小学校
横芝光町 横芝光町立南条小学校
富里市 富里市立根木名小学校
船橋市 船橋市立飯山満南小学校
柏市 柏市立花野井小学校
長柄町 長柄町立水上小学校
市原市 市原市立有秋東小学校
高等学校 市原市 千葉県立市原八幡高等学校
船橋市 千葉県立船橋芝山高等学校

   (ウ)   パネルディスカッション「学校ビオトープの現状と今後の展望」
     コーディネーター 県立中央博物館副館長 中村俊彦
     コメンテーター  県立中央博物館上席研究員 大野啓一
     パネリスト    グループ2000(環境に学ぶ) 横田耕明
              長柄町立水上小学校校長 塚田二三雄  
              千葉県立船橋芝山高等学校教諭 佐野郷美    
              千葉県立船橋芝山高等学校2年 角川祐耶
              千葉県教育庁教育振興部指導課指導主事 田中豊明
              千葉県生物多様性センター主査 浅田正彦

5 主催 千葉県(生物多様性センター)
      千葉県教育委員会(県立中央博物館)

6 フォーラムの様子



 植生の復元・管理の講習では、森の遷移を観察することの重要性などに、参加者が聞き入っていました。  水辺や池の復元・管理の講習では、積極的に手を入れていかないと水辺は荒れていくという話がありました。
「生き物観察『森の調査隊』」は、参加者が、20種類以上あるクイズ形式のシートを選んで、その課題を解いて報告するものであり、例えば「森のなかからハートの形を探そう」というシートを選んだ人は、葉っぱや石など生態園にあるものの中からハートの形のものを探して報告をするというものです。
 小雨が降りしきるあいにくの天気の中、いろいろな発見に、みんな楽しそうに歓声を上げながら生態園の中を歩き回っていました。多い人は、約1時間の間に3枚のシートを解いて、スタッフに報告をしていました。もっとやりたい、時間が足りなかったなどの声が聞かれました。

中央博物館の中村副館長から「子どもの感性を育む自然体験」という題目で、子どもが健全に育つためには、学校ビオトープなどの自然体験が必要だということを、事例やデータを使ってお話いただきました。

ポスターセッションでは、生物多様性体験学習推進事業補助金でビオトープの整備・改修及びその活用を行っている学校を中心に16の高等学校、小学校が、1~2枚のポスターを掲示したりジオラマなどを展示し、その前で、児童・生徒などが、回ってきた参加者に、自分の学校のビオトープの説明を行ったり、質問に答えていました。最初は緊張気味だった児童たちも、だんだん慣れてくると堂々と説明を行い、参加者からは拍手が出ていました。約1時間という時間があっという間に過ぎた感じでした。
実際にビオトープの整備に携わる教員や生徒などによるパネルディスカッションでは、パネリストからは、「ビオトープは画像でなく、本物を見て触れられる場所として重要である」との意見や、「子どもの自然体験の場としても重要だが、地域の社会教育、生涯学習の場としても期待している。」、「地域と学校が、生き物を通じて感動を共有することにより結びつきが強くなる。」などの話が出されましたが、一方、課題としては、整備や維持管理でどこまで手を入れるかが難しい、教員の異動による後継者の問題などが挙げられました。

7 みんなでつくる学校ビオトープ(ポスター発表した学校ビオトープの事例集)のPDFファイル
   (1)表紙(195KB)
   (2)はじめに、目次(782KB)
   (3)千葉市立稲毛第二小学校(566KB)
   (4)千葉市立稲浜小学校(659KB)
   (5)印旛村立いには野小学校(740KB)
   (6)市原市立牛久小学校(607KB)
   (7)我孫子市立湖北台小学校(674KB)
   (8)佐倉市立白銀小学校(663KB)
   (9)袖ケ浦市立中川小学校(854KB)
   (10)柏市立名戸ヶ谷小学校(607KB)
   (11)横芝光町立南条小学校(532KB)
   (12)富里市立根木名小学校(929KB)
   (13)船橋市立飯山満南小学校(549KB)
   (14)柏市立花野井小学校(720KB)
   (15)長柄町立水上小学校(750KB)
   (16)市原市立有秋東小学校(601KB)
   (17)千葉県立市原八幡高等学校(738KB)
   (18)千葉県立船橋芝山高等学校(804KB)
   (19)裏表紙(131KB)

8 最後に
 今回、初めてこのようなフォーラムを開催したわけですが、色々参考になった。来年もこのような催しをやってほしいという声が多数聞かれました。
これを機に、各学校における取組がより一層発展していくとともに、学校間や学校とNPO、行政などの連携が進み、ビオトープの整備や活用が広がっていくことを願っています。

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