調査団報告2022年6月

生き物たちの”食う-食われる”

今回は、生命のにぎわい調査団の生き物報告に投稿があった写真の中から、生き物たちの”食う―食われる”の瞬間が撮影された貴重な報告を紹介していきます。生命のにぎわい通信の第60号(2021年9月)において、すでに生き物たちの”食う―食われる”をテーマにした号を発行していますが、今回はそこでは紹介しきれなかったものをいくつかピックアップしました。

アオサギによるタウナギの捕食

(撮影者 : a0826)
(撮影者 : a0826)

アオサギがタウナギと思われる大きな魚を捕まえ、飲み込む瞬間を撮影した写真です。

タウナギは全長30-50cm、最大で90cmになる淡水魚で、利根川水系以西の本州と四国に外来種として定着しています。淡水域の溜池や湿地帯、水田などに生息し、土中に巣穴を掘ったり石垣の隙間などに潜んでいます。

体が大きいことや様々な隠れ家に潜んでいることから日本には天敵が少ないように思われますが、体の大きなタウナギであっても、アオサギには敵わないようです。

ハシボソガラスによるクサガメの捕食

(撮影者 : a0826)
(撮影者 : a0826)

ハシボソガラスがクサガメの成体の甲羅(死体)をつついて食べる瞬間を撮影した写真です。クサガメは卵や幼体の時期にはタヌキやシマヘビなどに捕食されますが、成体を捕食する在来の捕食者は全く知られておらず、本来日本には天敵がいないものと考えられていました(外来種のカミツキガメやアライグマには成体が捕食されることが報告されています)。

ハシボソガラスがクサガメの死体を食べていたのか、それとも生きた個体を襲って食べたのかは分かりませんが、この写真はカメとその捕食者の”食う―食われる”の関係を探る上で貴重なものであると思われます。

ツミによるスズメの捕食

(撮影者 : a1331)

ツミがスズメを捕食している瞬間を撮影した写真です。ツミは日本最小のタカと言われ、全長は30cmほどしかありません。キジバトやヒヨドリほどの大きさと紹介されることが多い猛禽類です。

捕食対象は主に小鳥類や昆虫類です。この写真は、ツミが小鳥類を襲う捕食者であることを再認識させてくれます。

アオモンイトトンボによるガの捕食

(撮影者 : a0708)

アオモンイトトンボが大きなガの仲間を捕食する瞬間をとらえた写真です。

忘れがちかもしれませんが、トンボ類は他の昆虫を襲う捕食者です。写真のように、自分と同じくらいの大きさの昆虫をも襲い、食べてしまうことがあります。

トンボが止まっている瞬間に出会った際は、是非とも何か捕食していないか観察してみてください。

ハラビロカマキリによるスズメバチの捕食

(撮影者 : a0708)

ハラビロカマキリがスズメバチ類を捕食する瞬間を捉えた写真です。

スズメバチ類は様々な昆虫を襲う獰猛な捕食者として有名ですが、実はカマキリ類に捕食されることがあります。カマキリに限らず、アブ、トンボ(オニヤンマ)、クマなど、様々な生き物に襲われることがあります。意外なことに、スズメバチには多くの天敵がいるようです。

なお、ここで紹介したスズメバチの天敵となるカマキリやトンボなどが、餌生物としてスズメバチに襲われることもあります。

ヨコヅナサシガメによるアカボシゴマダラの越冬幼虫の捕食

(撮影者 : a0963)
(撮影者 : a0963)

ヨコヅナサシガメの幼虫がアカボシゴマダラの幼虫を捕食する瞬間を捉えた写真です。

ヨコヅナサシガメなどのサシガメ科のカメムシは肉食の昆虫です。細長い口を他の昆虫に突き刺して体液を吸います。ヨコヅナサシガメに襲われたアカボシゴマダラの幼虫はミイラのようになってしまったようです。右下のサシガメの腹部はみごとに膨らんでいますね。

皆さんが普段何気なく観察や撮影している生き物たちの”食う―食われる”の関係の中には、まだ世間一般にはあまり知られていない貴重な情報が含まれているかもしれません。生命のにぎわい調査団の調査対象種だけでなく、面白いな、不思議だなと思うような生き物の”食う―食われる”の瞬間に出会った際は、是非とも写真等におさめ、生き物報告までご投稿ください。

今後とも、生き物報告をご活用いただけますと幸いです。

調査団報告 2022年6月 

*希少生物は保護上の理由により、発見場所を非表示にする場合があります(緯度 : 35、経度 : 140 の位置を表示する設定にしています)。

6月分のデータ(Excel)は以下のリンクよりダウンロードできます

ただし、無許可で報告データを公開することを禁じます

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皆さんからいただく報告の中には、希少な生物の発見、生息状況の新たな発見、活き活きとした生きものの営み等の写真が多くあり、事務局としても大変楽しませていただいています。

外来種対策:外国産の生きもの・外来生物、国内でも他地域の生きもの・移入生物は、県内に放さないでください。
飼育した生きものは責任をもって、最後まで飼いましょう。外来生物によって、日本の在来の生物(植物、動物)は、大きな影響を与えられています。国内、千葉県の生態系と生息する生きものを守るためには,知る、調べる、行動する/駆除するなどが必要になっています。

外来生物に関する情報は

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