
クリの花が咲いています。
葉が色濃く茂った枝から細いヒモのような花穂(かすい)が垂れ下がり、花が開くにつれてふさふさした淡いクリーム色が樹木全体を覆っていきます。
遠目にも存在感のあるこの花穂は雄花で、雌花は雄花の根本付近にあります。
長さ10~15cmの雄花にくらべ、雌花は直径3mmほどの球状で、小さいながら将来のイガを彷彿とさせるようなトゲトゲの形をしています。
クリはブナ科の落葉広葉高木で、5月の下旬から6月の梅雨の時期に花が咲き、強いにおいと大量の花粉で昆虫を呼び寄せる虫媒花です。
にぎわい調査団にもたくさんの昆虫たちが投稿されています。
その一部をご紹介します。写真には団員番号と種名を付記しました。












クリは暖地と寒地のいずれにも生育し、ほかの果樹よりも管理しやすいことから広く栽培されています。
そして、秋の味覚としてはもちろんですが、腐食や湿気に強く、高い耐久性を持つ建材としても広く利用されているのだそうです。
宮沢賢治の『グスコーブドリの伝記』にでてくる「てぐす飼いの男」は、イーハトーブの森のクリの木で「てぐす」を飼い繭を育てました。
繭から飛び出した「大きな白い蛾」が実在の生き物かどうかはわかりませんが、クリの葉を食べて育つヤママユには天蚕(てんさん)の別名があり、その繭からとれる天蚕糸(てんさんし)は最高級の絹糸といわれています。



2026年5月の皆さまからの報告は626件でした。
内訳は昆虫406件、鳥類77件、クモ・ムカデなど55件、維管束植物39件、哺乳類17件、は虫類12件、両生類11件、魚類6件、貝類2件、コケ類・藻類1件でした。
また、調査対象の生き物は50件、調査対象以外の発見生物は576件でした。
参考文献
小池安比古監修『樹木図鑑』日本文芸社(2025)
安田守著 高橋真弓・中島秀雄監修『イモムシハンドブック』文一総合出版(2010)
槐真史編 伊丹市昆虫館監修『ポケット図鑑日本の昆虫 1400』文一総合出版(2013)
宮沢賢治著『セロ弾きのゴーシュ 他十篇』角川文庫(1979)