生物多様性ちば企業ネットワーク:清水建設株式会社の取組
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清水建設株式会社
- ガイドライン・アクションプランの制定
自然保護・生物多様性に関する経営理念・方針として、2009年「シミズ生物多様性ガイドライン」を制定。また、これまでに行ってきた生物多様性に配慮した活動をさらに継続・発展させ、社会的責任を果たすため、2010年「シミズ生物多様性ガイドライン」に則った具体的な活動内容や目指すべきゴールを示す「シミズ生物多様性アクションプラン」を制定しました。
- 地域の生態系ネットワークを可視化・評価する「UE-Net」の開発
「UE-Net」は、衛星画像データを用いて地域の自然環境を分析し、事業地内の緑化計画が周辺の生態系ネットワークに与える波及効果を生物の生息適性の視点からビジュアルに示すことが可能です。地域の生物多様性に貢献できる緑化計画をご提案します。
※公益社団法人 土木学会2012年度環境賞、一般財団法人エンジニアリング協会 2013年度エンジリアリング功労者賞 受賞。
※UE-Net/ユーイーネットは清水建設の登録商標です。
- 自然の潜在能力を借りて空間を設計する「エコロジカル・ランドスケープ」
エコシステムとエンジニアリングとデザインを同次元で解決することにより、人と自然の要求を同時に満足させ、建造物が地域のエコシステムに組み込まれ、本来そこにあるべき生物多様性に配慮した空間をつくる設計手法です。
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Town 城西の杜(群馬県太田市)では、調整池の水位と地下水位との連動により水量・水質を安定させ、護岸を緩斜面として公園と組み合わせるなど水辺に映える街並みを実現しました。
水戸ニュータウンでは、多種多様な動植物の棲む多自然型調整池を具現化しました。
- ダム工事やトンネル工事における動植物保全対策
ダム工事は、山間地の豊かな自然環境の中で行われ、大規模な地形の改変や樹木の伐採を伴い、生態系への影響も大きいことから、自然環境特性や希少生物の生息状況等に合わせて、様々な対策を実施しています。
- 資機材の色彩配慮、照明制限、騒音対策による猛禽類対策
- 猛禽類を観察、影響を確認しながら段階的に工事を本格化するコンディショニング
- 移植による稀少種の保全
- 渇水防止による水生生物の保全
- ビオトープの設計施工 ~アドバンテスト群馬R&Dセンター(群馬県邑楽郡明和町)
設計当初から群馬大学の石川助教授のアドバイスを受け、ビオトープ本来の目的である生き物の生息場としての視点に立って十分な検討を行い、生態学に基づいた本格的ビオトープの創出を目指し、設計と施工を進めました。本ビオトープの総面積は約17,000㎡で、民間企業では最大級のものとなります。完成後もビオトープのモニタリングを実施し、多くの小動物が生息するなど、ビオトープが順調に機能していることを確認しています。
- 自社施設でのビオトープ設置 ~当社技術研究所(東京都江東区)
(1)都市の自然生態系の再生 (2)資源の再生・循環 (3)生活環境の再生をコンセプトに、自社施設である技術研究所の屋上及び、中庭部に約20,000㎡ビオトープを設置しました。竣工後は生物観測モニタリングを継続実施しており、設置前後の昆虫類の生息数は、全体で29種から173種と約6倍に増えており、生物多様性も飛躍的に高まったと考えられます。昆虫以外にも、水辺には毎年様々な野鳥がやってきます。
- アニマルパスウェイ
「アニマルパスウェイ」とは、道路建設等で分断された森林をつなぐ樹上性小動物(ニホンリス、ヤマネ等)のための通り道を表す造語で、小動物を交通事故から守り、生息場を確保するための専用の吊り橋です。当社はアニマルパスウェイ研究会に参加し、2004年から設置しやすい仕様の「普及型アニマルパスウェイ」を研究・開発し、日本や世界各地に広める活動をしています。山梨県北杜市、栃木県那須町他に設置されています。
2007年土木学会環境賞、2015年第1回いきものにぎわい企業活動コンテスト環境大臣賞、2015年地球環境大賞特別賞 受賞。
- タイシミズ社のマングローブ植樹
海外子会社であるタイシミズ社では環境にやさしい事業活動を目指し、さまざまな環境貢献活動を実施しています。その一つに発展とともに失われたマングローブ林の再生を目指した植樹があります。2009年の活動開始以来、2014年には累計4,550本のマングローブ植樹を行いました。今後タイシミズ社全従業員が生きているだけで自分の体からでているCO2量を、植樹したマングローブでオフセットすることを一つの指標として2016年度末までに累計10,000本を目標に植樹をしていきます。
- 遺伝子解析による生物多様性保全植栽システム
多くの樹木は同じ種でも、地域により異なる遺伝子を持っているため、他地域の遺伝子を持つ樹木が持ち込まれると、遺伝的なかく乱を生じ、遺伝的多様性の減少につながる恐れがあります。そこで、植栽によく使われる3種の樹木(イロハモミジ、ヤマザクラ、ヤブツバキ)を対象として、中部大学と共同で遺伝子解析による判別手法を開発しました。植栽樹木の由来調査(スクリーニング)によって、他地域の遺伝子を持ち込まない供給体制や、トレーサビリティの確立を目指しています。
- 持続可能な木材調達の取り組み ~生長の家 “森の中のオフィス”(山梨県北杜市)
宗教法人生長の家
“森の中のオフィス”は地元山梨県産材のFSC認証の地産地消木材を丸太にして4万本以上調達して建設。大規模木造建築物では国内発となるFSCのFM、COC含めたプロジェクト認証を取得しました。
建物運用後は、設計時予測より供給が需要を大きく上回り、ゼロエネルギービルをさらに発展させ、消費する以上に電力をつくり出す建物PEB(Positive
Energy Building)を達成しました。
※2014年地球環境大賞 国土交通大臣賞 受賞
- 企業の森づくり活動 ~松阪 伊勢寺ネイチャー“あい”ランド
三重営業所を中心に社員や協力業者の皆さんが2008年に森林間伐作業を開始して以来、2014年度末時点で延べ32回、延べ参加者数1,500名以上の活動です。
2010年には三重県、松阪市、地元自治会と当社の4社で森林保全協定を締結し、地元小学校が授業の一環として自然観察会を開催するなど地域に根差した活動です。家族で楽しめる活動として、おがくずや落ち葉で『かぶと虫村』を作ったり、竹細工教室なども行っています。
これまで5haの森林のうち、約90%の範囲で1次間伐を実施。今後は、周囲の木漏れ日バランスを考慮した2次間伐を行う予定で、息の長い活動を目指します。
外部リンク:
清水建設
http://www.shimz.co.jp/
生物多様性への取り組み/CSR活動-清水建設
http://www.shimz.co.jp/csr/environment/activity/biodiversity.html
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