夏がようやく去り、柿が色づく季節がやってきました。
柿は日本を代表する果物で、里山や農家の庭先に広く植えられています。
食用だけでなく、未熟な青い実から防水・防腐効果のある塗料(柿渋)を作るなど、昔から生活に広く利用されてきました。



柿の品種には甘柿と渋柿がありますが、野生のカキは渋柿です。
種子が未熟な間は、果皮は青く果肉は固く渋く、食べられないように防衛していますが、種子が完全に熟すと果皮は朱赤に染まり、果肉は甘く柔らかくなります。
そして甘酸っぱい香りで動物たちを呼び寄せるのです。
柿に誘われる生き物たち。その一部をご紹介します。写真下に種名と団員番号を入れました。












里山に植えられた果樹は、収穫されないまま残ると、野生動物が人の生活圏に出没する要因となる場合があります。このため、「獣害支障樹木」として伐採が検討されることもあるそうです。
かつては身近な秋の恵みだった柿も、生活スタイルの変化や過疎化などで徐々に縁遠くなり、庭先で収穫するものから店頭で選ぶものになりつつあります。
晩秋の里山に朱を添える柿が、身近な風景から姿を消してしまう日は、もしかするとそう遠くないのかもしれません。
2025年10月の皆さまからの報告は217件でした。
内訳は昆虫125件、鳥類45件、は虫類13件、魚類8件、維管束植物6件、哺乳類6件、両生類4件、地衣類・菌類(キノコなど)4件、エビ・カニ類(甲殻類)3件、クモ・ムカデなど1件、貝類1件、その他の動物1件でした。
また、調査対象の生き物は31件、調査対象以外の発見生物は186件でした。
参考文献
多田多恵子著・平野隆久写真『里山の花木ハンドブック~四季を彩る華やかな木々たち~』NHK出版(2014)